今週のメッセージ 2003.5.4

憲法と十戒

昨日の5月3日は憲法記念日でした。大日本帝国憲法にかわり現行憲法が公布されたのが1946年11月3日、そして施行されたのが翌47年5月3日で、「憲法記念日」として記念され、今日に至ります。

憲法は、言うまでもなく国の最も基本となる決まりで、「国家存立の基本的条件を定めた根本法」(広辞苑)です。

ところで、国家に対する根本法としての憲法のようなもので、個々人に対するものというと何があるでしょうか?なかなかすぐには思い浮かばないのではないかと思います。

わたしは個人的に「十戒」がそれだと考えています。いきなり「十戒」と言われても“何のこっちゃ”と思われる向きもあるでしょう。神が御自分の民に与えられた“十の戒め”で、神の民の生き方の基本を示しています。旧約聖書の『出エジプト記』20:1〜17と『申命記』5:1〜21に出てきます。紙面の都合でその中味までは記せませんが、短い序文があり、次いで前半の神との関わりについての戒め、そして後半の人との関わりについての戒めがその構成内容です。

非常に示唆に富んでいる点は、後半のいわゆる倫理的教えに先立って前半は神への畏敬、すなわち信仰的教えが置かれていることです。「殺してはならない。姦淫してはならない。盗んではならない。...」といった倫理道徳は“神への畏敬”、即ち“宗教”が土台として必須であることが示唆されているのです。

殺人、不倫、盗みがいけないことぐらいは万人が知っています。しかし、指導的な立場にあるいわゆるエリートと呼ばれる人たちでも、この戒めを犯す過ちが日常茶飯事なのが現実です。それは何故かを示唆しています。