今週のメッセージ 2003.5.11 

「母の日」に想うこと

今日は5月の第2日曜日、すなわち「母の日」です。一年中で今日ほどカーネーションの売れ行きがよい日はないでしょう。花屋さんにとっては願ってもない日かと思います。

「母の日」というと“聖母マリア”(プロテスタントではあまりこうした表現はしませんが)に想いを馳せる向きもおありかと思います。そのマリアが、御使いガブリエルからキリスト受胎を予告された時、言葉のやりとりの最後に、マリアが語った次のような言葉が聖書に出ています。

「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」

(新約聖書・ルカによる福音書1:38)

この言葉の中に、マリアの主(神)に対して自分のすべてを明け渡している献身の姿勢が表されています。マリアが“聖母”と呼ばれる所以は、単にキリストの母となったというだけではなく、神に対するこの献身の故だと思います。

先週、「十戒」について触れました。十戒の第5番目には「あなたの父母を敬え」とあります。とかく、生み、育ててくれた存在の故に敬え、という教えと受け取られがちです。確かにその要素もあるのですが、その核心にある意味は、神から養育を託された者として、神に代わって神の言葉を子どもに教えつつ、託された養育の義務を担う存在として敬われるべきことが命ぜられているのです。

神に対して献身しつつ、神に代わって子どもの心身共にその養育のわざを担うところにこそ、母の母たる所以があるといえます。

しかし、現代は神が忘れられ、あまりにも人間のわざと都合が優先されてしまっているように想うのですが...。