今週のメッセージ 2003.8.31

神の奇しきご経綸

 

先週、旧約聖書の創世記に登場するヤコブという人物について触れました。事情があって家にいられなくなり、母親の故郷に向かってひとり旅立ったと書きました。

ところでその事情とは、母親と結託して父親を騙し、兄エサウが受け継ぐべき長子の権利と、父親が世を去る前に長子に与える祝福の祈りを奪ってしまったことから兄の怒りを買い、家にはいられなくなってしまったという次第なのです。

その人間性は決してほめられたヤコブではありませんでした。しかし、母親の故郷で叔父の家に住み、20年間も叔父の家の為に尽くして働きます。その間、結婚のことで叔父に欺かれたり、働きの報酬のことで何度も約束を違えられたりの苦い経験をするのです。言わば、他者にしてきたことを、今度は自分がされる立場になってしまったわけです。

しかし、その20年を通して神はヤコブを成長させると共に、欺きにより不本意に結婚することになってしまったレアという女性を通して、後にモーセが生まれ、祭司職を担うことになるレビ族の祖となる子どもを、また後にダビデが生まれ、ダビデ王朝に連なるユダ族の祖となる子どもを儲けるのです。そして、このダビデの子孫として救い主イエス・キリストが誕生するのです。

神は、単なる逃亡の一人旅に過ぎなかったヤコブの旅に、全世界の民の祝福に連なる目的を与え、不本意の結婚にも全世界の人々の救いに連なる意義をお与えになったのです。神のご経綸の計り難さ、極め難さを覚えます。

あなたの人生にも、この神の奇しきご計画があることを信じましょう!