今週のメッセージ 2003.11.16

わたしを支えた術前の執刀医の一言

 

二回お休みをいただきましたが、実は、前立腺ガンの宣告を受け、手術のため二週間入院していたためでした。

予期していなかったことだったので、宣告を受けた時は戸惑いました。今から5年半ほど前にも、全く予期していなかった脳梗塞の発作に見舞われ、しかもキャンプで奉仕中のことで、救急車で病院に搬送され、2ヵ月余りの入院生活を余儀なくされたことがありましたので、「脳梗塞に続いて今度はガンですか」と神を恨みたくなりましたが、かくなる上はと気持ちを切り替え、最善の対処をとドクターと相談の上、今回の手術となったわけです。幸い発見が早かったので、事なきを得た次第でした。

入院前、前立腺の腹腔鏡下手術を受けた患者さんが医療ミスから命を落としたり、加えて入院を予定していた病院でも、心筋梗塞で運ばれた患者さんが、注射液の取り違えから死亡したりと、医療ミス報道が相次いだので、人間のやることには完全はないし、と不安にも駆られました。

そんな中での入院、手術となったのですが、いよいよ手術室に運ばれ、麻酔がかけられることになりました。全身麻酔に先立ち、硬膜外麻酔の注射をしたのですが、その時執刀医が、「木村さん、ここだけ頑張って下さい。あとはぼくらが頑張ります!」と声をかけてくれました。この一言が非常な支えとなりました。執刀医と患者のわたしの心の回路がつながった感じがしました。

信仰もこれと似たところがあります。キリストの言葉を通して、神とわたしの回路がつながり、それがわたしを支え、救うのです。

「実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです。」(新約聖書・ローマ10:17)