今週のメッセージ 2004.2.1

生きがい、働きがい

 

紀元前13世紀頃の出来事ですが、モーセで知られるイスラエルの民のエジプト脱出(エクソドス)があります。この出来事の背景には、エジプトにおけるイスラエルの民に対する弾圧がありました。どんどん増えていくイスラエルの民に脅威を感じたエジプト王は弾圧政策を断行します。最初は苛酷な重労働でしたが、それでも増えていく為、ついに断種政策が行われ、生まれた子が男児の場合は、即座に殺すようにとの命令がヘブライ人の助産婦たちに下されたのです。

しかし、彼女たちは神を畏れる信仰の故に機転を利かせ、ヘブライ人の女性たちはエジプト人と違い丈夫で、助産婦が行く前に生んでしまうとして命令に従いませんでした。その結果、イスラエルの民はエジプトで絶えて滅びることなく、やがてエジプトを脱出し、カナンの地で建国に至ることが出来たわけです。さもなければ、父祖アブラハムに対して神が約束された、「地のすべてのやからは、あなたによって祝福される」「祝福の基となる」(創世記122,3)ことの具現としての救い主イエス・キリストの来臨と救いは、早々と頓挫してしまったことでしょう。

ヘブライの助産婦たちが、神を畏れ敬う信仰の故になしたことが、その時点では当人たちには思いも及ばないことでしたが、神の摂理の中で全人類救済の救済という永遠に連なる業となったのです。神を畏れ敬うが故に、神の御旨に沿う生き方こそ、真の生きがい、働きがいに連なるものです。

「わたしの愛する兄弟たち、こういうわけですから、動かされないようにしっかり立ち、主の業に常に励みなさい。主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです。」(新約聖書・第一コリント15:58)