今週のメッセージ 2004.2.8

神の奇しき配剤

先週に引き続きイスラエルの民のエジプト脱出(エクソドス)で知られるモーセについて考えます。

モーセが生まれたのは、エジプト国内にあって、厳しい弾圧にもめげず増えるイスラエルの民(ヘブルの民)に脅威を感じたエジプト王が、断種政策を断行した最中でした。

モーセの両親はどうにか隠してモーセを育てていったのですが、3ヶ月位になるとそれも出来なくなってしまいました。そこでパピルスを編んで作った籠にアスファルトとピッチで防水を施し、その籠の中にモーセを入れてナイル川の葦の茂みに浮かべたのです。

その籠を、なんと水浴びに来たエジプト王女が見つけるのです。離れた所から事の成り行きを見守っていた赤子モーセの姉の機転により、また王女の女性特有の母性愛もあって、なんとモーセは、実の母を乳母とし、しかも母は王女から養育手当てをもらって育てられるのです。

彼の名「モーセ」は王女が、ナイル川の水の中から「引き出した(マーシャー)」ことに因み「モーセ(モーシェ)」と名づけたことに拠っています。このモーセは、やがて長じて同胞イスラエルの民をエジプトから「引き出す」エクソドス(エジプト脱出)のリーダーとなっていくのです。

エジプト王の断種政策の危機的状況の中で、神が全人類救済の為に用いる神の民に関わる御業は、神の奇しき御配剤により着実に進展していったのです。同じ神が今も区働いておられることを信じて歩みたいものです。

「神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終りまで見きわめることはできない。」(旧約聖書・伝道の書3:11)