今週のメッセージ 2004.2.15

たとい沢山の物を持っていても...

「たといたくさんの物を持っていても、人のいのちは、持ち物にはよらないのである。」(新約聖書・ルカによる福音書12:15、協会訳)

これは、主イエスが『愚かな金持ち』と名づけられている譬話を語られるに先立ち、前置き的結論のように言われたことばです。

その『愚かな金持ち』の譬とはこんな内容です。

ある金持ちのその年の収穫はことのほか豊作で、倉に収め切れないほどでした。そこで彼は、「今までの倉を取り壊し、もっと大きな倉を建てよう。そしてその中に穀物や食糧を全部しまい込み、自分の魂にこう言おう、『おまえには長年分の食糧が沢山蓄えてある。もう安心だ。あとは食べて、飲んで、楽しもう』と。」

すると神が彼に語りかけられたのです。「愚かな者よ、今夜、おまえの命は取り去られる。おまえの用意した物は誰の物になるのか。」

そして締めくくりに主イエスは言われたのです、「自分のために宝を積んで神に対して富まない者は、これと同じである」(同1221と。

原文では、作物、倉、穀物、食糧といったことばの前に全部、金持ちが自分の所有を表わす「わたしの」という語がついています。彼は、自分のことばかり考えて、神との関係ついては視野の外でした。また、死の手前のこの世のことのみに関心を持ち、死とその向こうのことについては考えませんでした。

戦後、わたしたちの国は、物質・金銭的豊かさ、現世的豊かさを懸命に追求し、世界で屈指の飛んだ国となりました。しかし、それと共に失ったものも多く、最近は至る所に行き詰まりや破綻が生じてしまいました。

「神に対して富む者」となれ、と聖書は警告しています。