今週のメッセージ 2004.3.21

お彼岸考

 

昨日は“春分の日”、一般では“お彼岸の中日”と呼ばれる日でした。従って今日もまだ“お彼岸”の期間に入っている日です。

もともと“彼岸”とは仏教に関係している用語のようで、悟りを開いた涅槃の境地を意味しているそうです。それに対するものとして“此岸”があり、生・老・病・死に苦しむ現世を意味するものだそうです。従って“彼岸”は、いわば“あの世”を指すわけで、そうしたところから、お彼岸にはお墓参りをし、先祖を供養する慣わしとなっているのでしょう。

確かに現世では生老病死にまつわる苦悩がつきものです。聖書にも、「あなたがたには世で苦難がある。」(新約聖書・ヨハネ16:33、新共同訳)という主イエスのお言葉があります。主イエスさまも、信仰に入ったからといって何もかもが好都合に運ばれ、一切の苦悩から無縁となるなどとはおっしゃいません。

しかし、前述のお言葉に引き続いて主イエスは言われます、「しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(同節)、と。

同じ新約聖書の中の「ローマの信徒への手紙」においても以下のようなお言葉があります。

「だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。艱難か。苦しみか。迫害か。飢えか。裸か。危険か。剣か。......しかし、これらすべてのことにおいて、わたしたちは、わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。」(8:35、37)

「わたしたちを愛してくださる方」とは、主イエス・キリストです。そして「輝かしい勝利」とは、何よりも先ず“罪と死”に対する勝利であり、主イエスの十字架の死と三日目の復活がその勝利への道を開いたのです。