今週のメッセージ 2004.8.8

心の思いまでチェック

十戒の第十番目の戒めは、「隣人の家を欲してはならない」です。「欲する」とは「貪る」ことを意味しています。

旧約聖書中にダビデという王様が登場します。ある時彼は、戦場に赴いていた忠義な部下ウリヤの妻バト・シェバの魅力に心惹かれ、持ってはならない男女の関係を持ってしまったのです。その結果、バト・シェバは身ごもることとなりました。

この姦淫の罪を隠蔽しようと、ダビデは戦場のウリヤを呼び戻し、自宅でくつろぐよう勧めます。しかし、忠義なウリヤは、他の兵士達が戦っているのにとその勧めを固辞します。

するとダビデは、戦場の司令官に命じ、ウリヤを戦いの最前線に送り、故意に戦死させてしまいます。そして何食わぬ顔をして未亡人となったバト・シェバを妻として宮殿に召し入れたのです。

人の目は誤魔化せても、神の目は誤魔化せません。神から遣わされた預言者ナタンによりこの隠された罪は暴かれたのです。

このダビデの罪は、この世の法律で裁くならば、姦淫罪、殺人罪ということになりますが、神は、行為にならない前の人間の心の思いにまで立ち至ってチェックされるのです。ダビデは、姦淫、殺人といった行為に及ぶ以前に既に第十戒に抵触する「貪り」の罪を犯していたのです。

ここまでチェックされたら、誰一人神の御前に罪なき者はいません。しかし、キリストの十字架は、悔い改めて信ずる者に赦しの道を開いているのです。

「御子イエスの血によってあらゆる罪から清められます。」(新約聖書・?ヨハネ1:7)