今週のメッセージ 2004.9.12

贔屓の引き倒し

 

アテネ五輪のほとぼりも大分冷めて来たようですが、あの五輪最終日、最終種目の男子マラソンで起きた清々しい出来事は、それと背中合わせで、クリスチャンにとっては後味の悪さが残る出来事でもありました。

それは、走路妨害をした男はコーネリアス・ホランという元司祭のアイルランド人で、その目的が“キリストの再臨”を広く知らしめることだったというのです。全く“贔屓の引き倒し”と言う他ありません。

いきなり“キリストの再臨”といわれても、何のこと?、と思われるでしょう。“キリストの再臨”とは、あの最初のクリスマスの日にひとたび来臨された主イエス・キリストが、いつの日か再び来臨されると言うキリストご自身のお約束のことです。キリスト教会が共有する使徒信条と呼ばれる信仰告白では、「かしこより来たりて、生ける者と死にたる者とをさばき給わん」と告白されています。クリスチャンは、この時を、すべての善と悪、義と不義とが明らかにされてけじめがつけられ、救いが完成し、天地万物が刷新される時として信じ待ち望みつつ生きているのです。

キリストはこの時に関し、以下のような警告を語っておられます。

「人の子が来るのは、ノアの時と同じだからである。洪水になる前は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていた。そして、洪水が襲って来て一人残らずさらうまで、何も気がつかなかった。人の子が来る場合も、このようである。」

(新約聖書・マタイ24:37〜39)

だからと言って、走路妨害をしてまでと言うのは“贔屓の引き倒し”というものです。そこであらためて、キリストの再臨こそ、わたしたちの生の拠り所また希望であることをお知らせしたいと思います。