今週のメッセージ 2004.9.26

信仰によって此岸から彼岸へ

 

先週の木曜日(23日)は「秋分の日」で、世間一般では“お彼岸の中日”と呼ばれる日でした。その日を挟んでの一週間がいわゆる“お彼岸”で、初日を“入り”、最終日を“明け”と呼ぶので、差し当たり本日は“お彼岸明け”にあたることになります。昔から“暑さ寒さも彼岸まで”と言われる如く、記録的だったこの夏の暑さもどこへやら、すっかり秋らしくなりました。

ところで「此岸」とは、“生死の苦しみに迷っている現世”を指し、それに対して“彼岸”は、“悟った涅槃の境地”また“あの世”を意味するようです。従って仏教的には、死を挟んで手前を「此岸」、向うが「彼岸」となるわけです。

これを敢えて先週記したキリスト教信仰に当てはめて考えるとするならば、此岸は、“すでに”成し遂げられたイエス・キリストの十字架と復活による救いに与る前、それに対し「彼岸」は、イエス・キリストの再臨により実現を見る救いの完成以後、と言うことが出来るでしょう。

この完成の時は、先週記したように“いまだ”到来していません。従って“いまだ”先に待たねばなりません。そして、この“すでに”と“いまだ”の間をわたしたちは“信仰によって生きる”のです。一方において、キリストの十字架の死と三日目の復活を以って救いがすでに成就したことを信じ、他方において、キリストが再び来られ、神の御国が完成し、わたしたちは復活して御国の民として迎えられ、救いの完成を見ることを信じるのです。この信仰による歩みがキリスト教的此岸から彼岸への道です。

「わたしたちの信仰こそ、世に勝たしめた勝利の力である。世に勝つ者はだれか。イエスを神の子と信じる者ではないか。」(?ヨハネ5:4−5)