今週のメッセージ 2004.12.0

希望の持ちにくい時代を生きる

自然破壊は進む一方です。世界を見渡すと、希求する平和と程遠い現実を見せ付けられます。国内に目を転じても、政・官・財の不正不義は止まるところを知らず、社会秩序を取り締まる警察にまで及んでいます。

社会福祉行政も見通し暗く、職場にも希望が持てず、結婚にも夢が持てない......、自分を取り巻く環境は自分に何も良いことをしてくれない、と見切りをつけたくなるでしょう。実に希望を見い出しにくい時代です。

ナチスの強制収容所から奇跡的に生還した特異な体験を持つ心理学者ビクトール・フランクルは、その著書『夜と霧』の中で、あらゆる慰めや励ましを拒絶する人達に共通するものとして、“人生からもはや何も期待すべきものを持っていない”とする口のきき方があると述べています。

それに対しフランクルは、“人生から何をわれわれは期待できるかではなく、人生がわれわれに何を期待しているか”とコペルニクス的転回をする大切さを述べています。これこそが、「生命が助かる何の機会もないような時に、われわれを絶望せしめない唯一の思想」と記すのです。

クリスマスの主は、十字架の死の折、神に仕える祭司長や律法学者たちからは敵視され、王やローマ総督、大衆や家族からも見捨てられ、弟子達にすら裏切られて、誰一人として良きものを差し出してくれるものはいませんでした。ただ父なる神の御旨に応える、それだけが支えでした。そして、真に何が必要か、何を求むべきか、を知らないわたしたち罪人の真の必要と求めを満たすべく、先取りされて十字架にかかられ、三日目に復活されたのです。このお方は今も生きておられ、あなたの人生に良き計画を備え、あなたに眼差しを注いでおられます。

「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」(新約聖書・ルカ2:11)