今週のメッセージ 2005.1.2

年始に際し始源を思う

「知恵と知識の宝はすべて、キリストの内に隠れています。」

(新約聖書・コロサイ2:3)

新しい年2005年が幕開けしました。年始に当たり、すべの始め(始源)ついて思いを馳せるのも意義あることかと思います。

サマセット・モームの代表的作品であり、また、彼の自伝小説とも言われる作品に『人間の絆』があります。この作品は20世紀の生んだイギリスの散文小説の最高作品とも言われます。

作中にフィリップ・ケアリという主人公が登場していますが、彼がこんなことを言っています。

「人生に意味などあるものか。空間を驀進している一つの太陽の衛星としてのこの地球上に、それもこの遊星の歴史の一部分である一定条件の結果として、たまたま生物なるものが生まれ出た。......人間もまた、その意義において、他の一切の生物と少しも変わりない以上、......単に環境のに対する一つの物理的反応として、生じたものにすぎない。......生も無意味、死もまた無意味なのだ。」

たまたま生まれ出たに過ぎないものだとするなら、確かに意味もなければ目的もありません。しかし聖書は、「初めに、神は天地を創造された」と語り出し(創世記1:1)、人は、神が御自分にかたどって創造された存在であると告げます(同1:27)。「いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示された」(ヨヘネ1:18)として、イエス・キリストこそ神を示された方と紹介します。このキリストの内に「知恵と知識の宝」がすべて隠されています。是非、このキリストの内にその宝を見い出されることを心よりお勧めします。