今週のメッセージ 2005.3.6

わたしは良い羊飼い

 

「わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。」

(新約聖書・ヨハネによる福音書10:11)

冒頭の聖句は主イエス・キリストが自身を紹介されている有名なことばです。

主イエスはご自分を「羊飼い」にたとえておられるわけですが、残念ながら「羊」とか「羊飼い」はごく日本では一部を除けば馴染みの薄い存在です。

先月、モンゴルで宣教師の働きをされているご夫妻をお迎えしていろいろとお話しを伺う機会があったのですが、モンゴルでは一滴の血も流すことなく羊を屠殺するそうです。そして肉や毛皮は言うまでもなく何ひとつ無駄にすることなく有効に利用するのだそうです。

羊は自分の体に、敵に対する防衛的な武器を何ひとつ持っていません。従って相互扶助のために群居性を好む動物なのです。それだけに羊の群れにとって「良き羊飼い」がありがたい存在です。羊は羊飼いの声を聞き分け、羊飼いは群れの羊にそれぞれ名前をつけて区別出来るのだそうです。

主イエスはそんな羊にわたしたちを譬え、そんな羊飼いにご自身を譬えておられるのです。そして聖書は、人生の歩みにおいて、確かな生の指針や拠り所を見い出せずに歩んでいる様を「飼う者のいない羊」と表現しています。

そうした羊たちに向かって主イエスは、「わたしは良い羊飼い」と言われ、「良い羊飼いは羊のために命を捨てる」と言われるのです。事実、イエス・キリストの十字架はそうしたさ迷う羊を救い、永遠の命に生かすための御業だったのです。