今週のメッセージ 2005.3.20

軍馬でなく子ロバに乗って

 

キリスト教会では、今日は「棕櫚の主日」と呼ばれる記念日です。十字架の死が迫った時、主イエスは子ロバに乗ってエルサレムに入城されたのです。大勢の群衆は棕櫚の木の枝を切って道に敷いたり、手に持って振ったりしながら、「主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ」と歓呼の声を上げ、熱狂的な歓迎をもってお迎えしたのです。その出来事を記念するのが本日の「棕櫚の主日」です。

ローマの属国になり下がり、かつてのダビデ・ソロモン時代の繁栄は見る影もない中、人々はローマを退け、独立と繁栄を回復されるメシアをイエスに期待したのでした。故に、あたかも颯爽と軍馬にまたがり、多くの兵士を従えて威風堂々と行進する大将軍の如くにイエスを歓迎したのでした。

しかし、それから数日後には、彼らはイエスに対して“十字架につけろ!”と叫ぶ暴徒と化すのです。「救い」とそれを実現する「手段」に関して、主イエスと人々の間には余りにも大きな隔たりがあったのです。

かつてのダビデ・ソロモン時代の如く、武力と物質的豊かさを以って平和と繁栄の救いの実現を期待した民衆、他方、主イエスは、あらゆる不幸と滅びの根因を罪と見定め、その赦しときよめにこそ真の救いがあるとして、わたしたち人間を罪と滅びの死から贖い出すべく、ご自身を十字架に献げるべくエルサレムに入城されたのです。子ロバに乗っての入城は、主イエスこそ、十字架による罪と滅びの死からのメシアであられることをデモンストレートされたものだったのです。1週間後の次の主日(27日)に記念されるキリストの復活(イースター)は、まさに十字架の贖いから救いといのちはもたらされることを決定的に証ししているのです。