今週のメッセージ 2005.5.22

無学な普通の人

「議員や他の者たちは、ペトロとヨハネの大胆な態度を見、しかも二人が無学な普通の人であることを知って驚き、また、イエスと一緒にいた者であるということもわかった。」(新約聖書・使徒言行録4:13)

先週、記念し祝われた「ペンテコステ(聖霊降臨日)」の日を境に、キリストの弟子たちは豹変し、臆することなく実に大胆にキリストとその福音について語り始めました。冒頭の聖句は、キリストの復活を証しした為に捕らえられて取調べを受けたペトロとヨハネが、ユダヤ最高法院で実に大胆に語るのを見て、議員たちが非常に驚いている様子が描かれています。「無学な普通の人」とは、二人ともガリラヤ湖の漁師出身で、聖書の律法や預言書について特別な教育を受けたことがない普通の庶民であったことを意味しています。

使徒言行録には、ペトロの三つの説教が記録されています。最初はペンテコステ当日のもの(2:14~36)、二つ目は神殿の境内でのもの(3:12~26)、そして三つ目はすでに触れている最高法院の法廷でのもの(4:8~12)です。

これら三つの説教を見ると、ペトロが、当時、「律法と預言者の書と詩編」(ルカ24:44)と呼ばれていた(旧約)聖書の中の律法からも、預言者の書からも、そして詩編からも、実に的確に引用して説教していることがわかります。当時は、現在のように印刷されて1巻にまとめられた聖書を手にしながら話すのは不可能でしたから、ペトロはそれらのことばをすべて諳んじていたことになります。

聖書に親しむ時、聖霊は豊かに働きかけ、「無学な普通の人」なのにどうして?と周りが驚くような、人間とその生の根本に関わる知識と悟りを得させて下さるのです。