今週のメッセージ 2005.6.5

モーセとキリスト

モーセと言えば、イスラエルの民がエジプトを脱出し、約束の地カナンに至るまでの荒れ野放浪生活の40年間、リーダーとして活躍した人物です。

ある時、神がモーセに対し、「わたしは彼らのために、同胞の中からあなたのような預言者を立ててその口にわたしの言葉を授ける」(旧約聖書・申命記18:18)と言われたことがあります。それはやがて来るべき救い主について言われた言葉でした。

キリストは神の御子であられるのに対し、モーセは偉大な人物であったとは言え一人の人間に過ぎません。しかし、神がキリスト来臨の予告に際し、モーセを引き合いに出されたことが暗示するように、両者には共通点がありました。それは自己保身を超克して生きたことです。

モーセについては、「信仰によって、モーセは成人したとき、ファラオの王女の子と呼ばれることを拒んで、...神の民と共に虐待される方を選び、...」(新約聖書・ヘブライ11:24と言われています。

他方、キリストについては、「神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました」(新約聖書・フィリピ2:6,7と記されています。

モーセがエジプトの王女の子の身分と地位に甘んじていたら、エクソドス(エジプト脱出)のリーダーの使命は果たせませんでした。

キリストが神の身分に固執したとしたら、救い主の使命は果たせませんでした。

使命を果たすには自己保身からの脱却が求められるのです。