今週のメッセージ 2005.7.24

カナン入国後、最初に行ったもう一つのこと

 

先々週(7/10)、「まず神との関係を整えることから」と題し、イスラエルの民が約束の地カナンに入国後、最初に行ったことは『割礼』を施すことであったことを記しました。

今週は、割礼と共に行われたもう一つのことについて記してみます。

それは『過越祭』という祭りを行うことでした。『過越祭』とは、40年前、イスラエルの民がエジプトを脱出した出来事を記念する祭です。当初、エジプト王はなかなかイスラエルの民を去らせようとしませんでした。すると神は、エジプト全土の初子、上は王の長男から下は奴隷に至るまで、さらには家畜の初子までもことごとく撃つという災いを降されたのです。

ところが、イスラエルの家だけはこの災いを免れることが出来たのです。そのわけは、事前に神の指示に従い、家毎に一歳の雄の小羊を屠り、その血を入り口の二本の柱と鴨居に塗っておいたのです。すると神は、小羊の犠牲の血が塗られている家だけは災いを降すことなく過ぎ越されたのでした。この出来事を記念して行われるようになったのが『過越祭』でした。

イスラエルはエジプトを脱出した翌年はこの祭りを祝いましたが、それ以降、カナン入国の時までずっと実施していませんでした。そこで神は、割礼の実施と共に、この『過越祭』の実施も求められたのです。過越の出来事は、イスラエルにとって神の選びと救いの原点となる出来事でした。これから、先住民族と戦い、約束の地を勝ち取って行くのに先立ち、『割礼』と併せ『過越祭』を行うことにより、まず自分たちの拠って立っている原点を確認し、「まず神との関係を整える」ことが必要だったのです。

まず神との関係をただすことこそ、あらゆることに優先されるべきことなのです。「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。」(マタイ6:33