今週のメッセージ 2005.8.7

平和を実現する人々は幸い

 

今年も原爆、終戦を記念する月となりました。なんと今年で60周年。終戦の年に生まれた赤ちゃんも還暦を迎える程の歳月が流れたわけです。

しかし、それに比例して世界は平和の方向に前進したかというと、残念ながら、その反対の方向へ進んでしまったと言わざるを得ません。核保有国は増し、核兵器の威力も比べものにならないほど強力になり、戦争の危機は一向に衰えを見せません。

先の戦争の頃は、筆者はまだ就学前の子どもでしたが、それでも子どもなりの戦争体験をはっきり記憶しています。夜中、たたき起こされて防空壕に避難したこと、灯火管制で夜は家の中が暗かったこと、焼夷弾が落ち、あちこちの家々が炎上、それが夜空に映えてきれいに思ったこと、米軍機の轟音と迎撃する高射砲の音が賑やかだったこと、疎開先の田舎で土地の子ども達からいじめられたこと等々。

戦争が終わると、食糧難でひもじかったこと、学校の映画鑑賞は、「聞け、わだつみの声」「広島の子」「鐘の鳴る丘」等の戦争を題材とした暗い映画ばかりで楽しくなかったこと等々。子どもながらに、戦争は殺しと破壊、悲しみと憎しみばかりで何にもいいことなどない、と思って育ちました。

 「剣を取る者は皆、剣で滅びる。」(新約聖書・マタイ26:52b

「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」(新約聖書・マタイ5:9)

世界で唯一の被爆国として、平和憲法を堅持しながら、世界に平和を作り出す国として貢献出来る国、国民であらねばとの思いを新たにさせられています。