今週のメッセージ 2005.8.28

言葉の真実さ

 

“口約束”“言葉半分”といった言葉の不確かさや危うさを示唆する言葉がありますが、聖書を読んでいると、言葉の真実さについていろいろと考えさせられます。

旧約聖書のヨシュア記に登場するヨシュアは、モーセからバトンを引き継ぎ、約束の地カナンを定住の地とすべくイスラエルの民を率いて活躍した人物です。

ヨルダン川を越えてカナンに入り、先ずエリコの町を占領し、続いてアイの町を征服していった時、カナンの先住民族たちはイスラエルに脅威を覚えました。そこでギブオンの町の人々は、イスラエルに滅ぼされるのを免れる為に一計を案じ、ヨシュアたちを騙して命を保障する協定を結んでしまうのです。程なくして偽りが露呈するのですが、ヨシュアがギブオン人に対して取った対応は興味深いものです。

実は、前以ってイスラエルは神から、カナンの地に入った折は先住民族たちと協定を結ぶことを禁じられ、必ず滅ぼし尽くせと命じられていたのです。しかし、カナンの地に住む者ではなく、はるか遠隔の地からやって来たとの偽りを見抜けず、ヨシュアはギブオンと協定を結んでしまったわけです。しかし、その偽りが露呈した後も、ヨシュアは一度交わした協定を破棄することをせず、彼らの命を守るのです。そこには主の前で交わした約束は履行しなければならないという姿勢の貫きがあります。そしてその姿勢は、信じ従っている神御自身が、ご自身の言葉に対して真実であられることに拠っているのです。

「主なる神よ、あなたは神、あなたの御言葉は真実です。」

(旧約聖書・サムエル記下7:28)