今週のメッセージ 2005.9.4

告別のことば

 

先週は、旧約聖書に記されているイスラエルのエジプト脱出(エクソドス)においてリーダー・モーセに従者として仕え、さらにはモーセの後継者としてイスラエルの民を率いてヨルダン川を渡り、カナンの地を征服してイスラエル建国の基礎を築いたヨシュアという人物について少し触れました。

このヨシュアが、自分の生涯も残り少なになったことを悟った時、イスラエルの民全体を集めて“告別のことば”を語ったことが、ヨシュア記の23章に記されています。

彼は、「右にも左にもそれることなく、モーセの教えの書に書かれていることをことごとく忠実に守りなさい」(6節)と教え、また、「今日までしてきたように、ただあなたたちの神、主を固く信頼せよ」(8節)と勧め、さらにまた、「あなたたちも心を込めて、あなたたちの神、主を愛しなさい」(11節)と語ります。

告別のことばは、言わば“遺言”とも言うべきものですから、是が非とも伝え置きたいと願うことを語るものです。そこにおいてヨシュアは、徹頭徹尾神なる主を信頼し、愛し、そのことばを忠実に守って歩めと民を諭しています。

後に、この神のことばが人となった主イエス・キリストは、ご自身の荒れ野の試練において、「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ4:4)と語り、さらには、「命を与えるものは“霊”である。...わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である」(ヨハネ6:63)と言われています。

パンだけでなく、神の言葉によって生きるのが人間のあり方なのです。