今週のメッセージ 2005.9.18

真の勝ち組・負け組みは?

 

最近勝ち組、負け組みといった表現をよく聞きます。先週、衆議院議員選挙が終わりましたが、差し詰め歴史的大勝をした自民党は勝ち組、議席を大幅に減らした民社党は負け組みといったところでしょうか。

新約聖書の『ルカによる福音書』に主イエスが語られた「金持ちとラザロ」という説話があります(16章)。今流の言い方で言うなら、「金持ち」はまさに勝ち組、ラザロはまさに負け組みです。「金持ち」は高価な衣服を身にまとい、毎日贅沢に遊び暮らしていました。他方、ラザロは、全身できものだらけの体を「金持ち」の門前に横たえ、その食卓から落ちるおこぼれで飢えを満たしたいと思うほど貧しく、惨めな生活ぶりでした。

しかし、死だけは富んでいようと貧しかろうと平等にやって来ます。そして死を境として両者にどんでん返しが起るのです。ラザロは天国へ、「金持ち」は地獄へ落ちてしまったのです。ただし、貧しい者は天国へ、富んでいた者は地獄へといった因果関係は全くなく、聖書は、この場合の死後の結果の原因については何も語っていません。

「金持ち」はまだ地上にいる5人の兄弟たちのことを思い、自分と同じ轍を踏むことがないよう、ラザロを地上に遣わして彼らに警告してほしいと頼みます。すると、彼らには聖書がある、それに聞けばよい、との返事が返ってきます。しかし「金持ち」はさらに食い下がり、死者が甦って警告してくれれば、彼らは悔い改めるでしょう、と迫ります。しかしそれに対し、聖書に聞かないなら、たとえ死者が甦って警告しても、彼らは聞こうとはしない、といわれてしまうのです。

真の勝ち組となり、負け組みにならないために、聖書に聞くことは不可欠なことを主イエスは示唆しておられます。