今週のメッセージ 2005.10.30

神の御業のくすしさ

先週、旧約聖書の中の士師記に登場するエフタという人物に関連して記しましたので、今週も別の士師サムソンという人物について記してみます。

彼は士師記に登場する12人の士師のいちばん最後に出て来る人物です。生まれる前から士師として、特に当時イスラエルを苦しめていたペリシテ人からイスラエルを救うという使命を、神から与えられていた人物でした。

彼は並外れた怪力の持ち主でしたが、女性に弱いという大きな弱点を持っていました。事もあろうに、律法で禁じられていた異邦の女性、しかも敵ペリシテの女性と結婚してしまうのです。そのペリシテ人である妻をめぐってペリシテとの間にトラブルが耐えないような人物でした。加えて、ペリシテの女性デリラの執拗な迫りに根負けし、自分の力の秘密(生まれた時から髪に剃刀を当てたことがない)を明かしてしまいます。その為に力が失せ、ペリシテに捕らえられ、両目を抉り取られ、牢につながれて粉挽きの強制労働を課せられるという悲惨のどん底に落とされてしまいます。どう見ても、イスラエルをペリシテから救う為に神が用いられる器にはふさわしく見えないような人物でした。

しかし神は、そうしたサムソンの弱さや過ちを是認されたわけではありませんが、それらを取り込み、乗り越えて予め定められた計画をサムソンを用いて実現されたのでした。

その神が、現在も同じようにくすしい御業を進めておられます。神を愛し、従って行く時、それが真実であることが体験されていくのです。

「神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。」(新約聖書・ローマ人への手紙8:28、協会訳)