今週のメッセージ 2006.1.22

「わたしは主、あなたの神――あなたは主、わたしの神」

 

先週引用した藤原正彦著『国家の品格』の中で著者は、「世の中に流布する論理のほとんどが、私には自己正当化に見えて仕方ありません」と言い、「論理とは、『自己正当化のための便利な道具』」と述べています。また、「世界中の人間の脳の九九%は、利害損得で占められています」と言い、「しかし、残りの1%を何で埋めるか、これが非常に重要なのです」と記しています。著者は数学者ですから、論理についてはある意味でプロです。その著者の主張ですからとても興味深く聞こえます。

先週の月曜日にわたしたち静岡・遠州地区の牧師会の集まりがありました。その席上で会長のY先生がメッセージをなさったのですが、テキストはマタイ59「平和をつくり出す人たちは、さいわいである」でした。その中でY先生は、義人と義人が出会うところには対立・争いが生まれるが、罪人と罪人が出会うところには平和が生まれる、と語っておられました。

もちろん、ここでの「義人」は“自分でそう思っている義人”であり、「罪人」は“神のみ前で自分が罪人であることを認めている人”のことで、ちょうどルカ福音書18章に描かれている“ファリサイ派の人と徴税人”に該当します。

冒頭のタイトル「わたしは主、あなたの神」は、『十戒』の前文、「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である」(出エジプト記202から取ったのですが、脳の残りの1%で、この主の宣言「わたしは主、あなたの神」に対して、「あなたは主、わたしの神」と応えられるならば、99パーセントも主の御心に照らして考えられるようになり、また、「平和をつくり出す人」と変えられていく道が開かれるのだと思います。