今週のメッセージ 2006.1.29

少年サムエルに学ぶ神との関わり方

 

白い衣をまとった小さな男の子が、跪いて神に祈っている聖画をどこかでご覧になったことがあるでしょう。旧約聖書の中のサムエル記上3章に登場する少年サムエルを題材に描かれた作品です。

まだ幼かったサムエルは、そのもとで主に仕えていた祭司エリ先生の仲立ちによって神さまとの関わりを持っていました。

しかし、彼が12歳ぐらいになった時、直接神の語りかける声を聞いたのです。初めてのことでしたから彼はてっきりエリ先生がお呼びだと思い、祭司エリのもとに行くのです。最初エリは、呼んでなんかいないよ、戻ってお休み、と言うのですが、同じことが三度も繰り返されるに及んで、神がサムエルに呼びかけられたと気づき、今度呼ばれたら、「主よ、お話しください。僕は聞いております」(サム上39)と応えるようにと教えます。

案の定、四度目の呼びかけが聞こえてきました。今度はエリ先生から教えられたようにサムエルは応答します。すると神は、同じく祭司であった二人の息子たちの乱脈振りと、しつけが不行き届きだった父親エリの故に、彼らに対する神の厳しい裁きを予告されたのです。

あとでエリに問われると、内容が内容だけにサムエルは話すのにためらいを覚えます。しかし、エリから隠さずに話しなさいと言われ、有のままを話したのです。するとエリは、「それを話されたのは主だ。主が御目にかなうとおりに行われるように」とそのメッセージを受け留めたのです。

とかくわたしたちは、「わたしが話しますから、主よ、聞いてください」と逆の姿勢になりやすいのですが、まず主に聞くことが優先されるべきであり、聞いたことを素直に受け入れて従うべきことを、神との関わり方の基本として教えられるサムエルの物語です。