今週のメッセージ 2006.3.12

ただ主に仕えよ

 

旧約聖書におけるイスラエルは当初(よい意味での)神政国家でした。しかし、やがて王制国家へと移行していきます。旧約聖書中の『サムエル記』(上・下)にその移行時の様子が記されています。

移行の原因は、一つには民のリーダーであったサムエルの息子たちが「父の道を歩まず、不正な利益を求め、賄賂を取って裁きを曲げた」(上8:3)、およそ後継者としてふさわしくない人物だったことがあります。

さらには、かつて聖所に安置されていた神の箱が、異邦の民ペリシテによって奪われてしまったことが挙げられます。後に神の箱は戻って来たのですが、イスラエルにとりましてはショッキングな苦い体験でした。

そうしたことから自分たちにも周囲の国々のように、敵と戦い、国を守る王が必要だと考えたわけです。

聖書も決して王制そのものを否定はしていません。しかしそうした移行については問題があることが指摘されています。その問題点とは、神がサムエルに語られた以下のことばに示されています。

「彼らが退けたのはあなたではない。彼らの上にわたしが王として君臨することを退けているのだ」(同8:7)。

後に主イエスが荒れ野でサタンの試みに遭われた時、サタンはこの世の国々とその繁栄ぶりを見せながら、もし自分にひれ伏し拝むなら、これらをすべて与えると、主イエスを誘いました。しかし、主イエスは言われたのです、「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある」(新約聖書・マタイ4:10)。

神を退け、この世の栄華を選択することは、成功にいたる賢い選択のように見えますが、その実、神の祝福を失ってしまうサタンの罠なのです。