今週のメッセージ 2006.5.28

欲望・罪・死の連鎖

 

遅れ馳せながら話題の本、ドクター新谷弘実の『病気にならない生き方』を読みました。

プロローグの冒頭で、「医師になって四十五年ものあいだ、私は一度も病気になったことがありません」の言葉にびっくり。さらに、第1章の冒頭でも、「胃腸内視鏡の専門医になって四十年たちましたが、じつをいうと私はまだ一度も死亡診断書を書いたことがありません」に二度びっくり。現代の世の中に、そのような人間が、そのような医師がいるのかと本当に驚きました。

著者の主張の中心は、“エンザイム(酵素)”、特に“ミラクル・エンザイム”の視点に立った食生活と生活習慣に関する勧めなのですが、従来のカロリーと栄養素の視点に立った食生活の考え方とは異なる捉え方で、小生も今まで持っていたものが覆されるような衝撃を受けた次第です。

同時に、自然界の驚くべき有機的連関とそれを破壊してきた人間の無知と罪深さを痛感した次第です。虫が作物にとまることによって増える栄養素があるといったことははじめて知りました。また水の汚染の問題、ビニールハウス栽培の問題など、思っていた以上に食物の質を落とし、ダメにしていることを知り、この先どうなることかと暗澹たる気持ちに襲われました。

それにしても著者が、「いまの人間社会は、そうした自分たちの拡大させつづけてきた『欲』と『便利さ』の代償を、病気というかたちで支払っているのかもしれません」は、実に的を射た指摘と思わされました。

「欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。」

(新約聖書・ヤコブの手紙1:15)