今週のメッセージ 2006.8.27

神のご計画の実現までには時間が

 

旧約聖書に登場するダビデという人物の歩みを見て行くと、神のご計画が地上に実現するまでには時間を要することを知らされます。

イスラエルの初代の王サウルが王位から退けられ、代わってダビデが王座に着くことを神が御旨として明らかにされたのは、ダビデが預言者サムエルによって油注がれた時でした。その頃のダビデはまだ少年でした。そしてダビデが、全イスラエルの王としてその位に着いたのが30歳の時ですから、その間、実に10余年の歳月が流れたことになります。サウル王がペリシテとの戦いで死を遂げてからでも7年余りが経過していました。

もしダビデが世俗的野心家であったら、10余年の歳月を待つことは出来なかったでしょう。なぜなら彼は、ペリシテとの戦いで殊勲を立て、その為にサウル王の嫉妬を買って命を狙われ、ずっと逃亡生活を余儀なくされました。その間、サウル王の命を取ろうと思えば出来た機会が2度もあったのですから。

また、サウル王と息子のヨナタン王子が戦死を遂げた時、彼が野心家であったなら、チャンス到来とばかり自分が王座に着くことの妨げとなるサウル王の血筋の者達を根絶やしにしたことでしょう。

しかしダビデは、敢えてサウル王の命を取ろうとはしませんでした。また、サウル王ならびに矢ナタン王子が戦死を遂げた時も、二人の為に哀悼の歌を歌いこそすれ、血筋の者達を殺害することなどしませんでした。

しかし、サウルを退け、ダビデを立てることを御旨とされる神は、着実にその状況を整えて行かれたのです。

「人の心には多くの計らいがある。主の御旨のみが実現する。」

(旧約聖書・箴言19:21)