2006.09.03 今週のメッセージ

いったい、この方は何者?

 

「弟子たちは恐れ驚いて、『いったい、この方はどなたなのだろう。命じれば風も波も従うではないか』と互いに言った。」(ルカ8:25b)

「ヘロデは言った。『ヨハネなら、わたしが首をはねた。いったい、何者だろう。耳に入ってくるこんなうわさの主は。』そして、イエスに会ってみたいと思った。」(同9:9)

 

いきなり聖書のことばの引用で恐縮ですが、冒頭の二つの聖句は“いったい、この方は何者?”という問いが共通して含まれています。

最初の聖句は、弟子たちが主イエスと共に舟でガリラヤ湖を渡っていた時、突風に見舞われ、思わず主に助けを求めると、主が権威ある言葉を以って波風を静められた際に弟子たちが発した言葉です。

次のものは、ガリラヤの領主ヘロデが、主イエスに関するさまざまの噂を耳にして思わず呟いた言葉です。

聖書中では、この二つの問いに挟まれるかたちで、“突風を静める”(8:22~25)、“悪霊にとりつかれたゲラサ人の癒し”(同26~39)、“長血の女の癒しとヤイロの娘の甦り”(同40~56)の奇跡の記事が置かれています。即ち、自然界、霊界、人間の病と命に対して絶対的主権と権威ある言葉をお持ちの主イエスが証しされているのです。

それらに続いて“五つのパンと二匹の魚”の奇跡の記事(9:10~17)が置かれ、その後、有名な主イエスの弟子ペトロの信仰告白、「神からのメシアです」(同20節)が来るわけです。即ち、これらの奇跡の記事は、“いったい、この方は何者?”という問いが、“メシア(キリスト)”という信仰告白に導かれるための証し記事として配置されているわけです。