今週のメッセージ 2006.9.24

王権に関するダビデの悟り

 

「ダビデは、主が彼をイスラエルの王として揺るぎないものとされ、主の民イスラエルのために彼の王権を高めてくださったことを悟った。」

(旧約聖書・サムエル記下5:12)

冒頭の聖句は、それが示しているようにダビデの自らの王権に関する悟りを表しているものです。

この時、ダビデはすでにイスラエルとユダの全土を統治する王座に着いていました(同5:4,5)。しかし、ダビデが自らの王権に関して確信したことを示しているのは上記の個所が最初です。

そもそも彼が、王座に着く器として預言者サムエルから頭への油注ぎを受けたのは、彼がまだ少年の頃でした。しかし、その後の彼を取り巻く状況は、それとは反対の風が吹き荒れていきました。サウル王の妬みを買い、命を狙われたため、逃亡生活に明け暮れることとなってしまったのです。

その間、ヨナタン王子から、さらにサウル王からも、そして全くの第三者的立場にあったアビガイルという婦人からも、あなたはやがて王座に着くべき存在だということを聞かされたダビデでした。しかし、それに対するダビデのコメントはいっさい記されてこなかったのです。

しかし、さまざまな紆余曲折を経て、ついにダビデが王座に着くこととなります。そして、「シオンの要害」と言われたエルサレムを陥落させてダビデの町とし、隣国のティルスの王ヒラムが用材や技術者を派遣してダビデのために王宮を建設するなどの出来事を経るに及んで、やっとダビデは自らの王権について主の御旨を確信するに至ったのです。ダビデを見る時、神の御旨や御心は、それを信じて歩み、いろいろの出来事を乗り越えて行く中で、次第に確信・確認されて行くのだと言えるでしょう。