今週のメッセージ 2006.11.5

教派について

 

先週は宗教改革記念日に因み、プロテスタント誕生の経緯を記しました。そこで今週は、比較的プロテスタントの中に多くある教派について記してみましょう。

しばしば“なぜいろいろな教派があるのですか?”と聞かれます。その場合、質問者がどういう意図で質問しているのかを考えます。たとえば、これから自分は教会に行ってみよと思うのだが、ついてはどの教派の教会がいいのだろうか、と考える故の質問なのか、それとも、ただ単になんとなく聞いているだけなのか、と。

大方は、単なる興味半分で聞いて来ることが多いようです。

プロテスタントは、前回記したように、カトリック教会に対して、救いは信仰のみによると主張しました。

しかし、信仰を強調し重んじた結果、信仰の根拠となる聖書について、その解釈の違いや、強調点の置き方の相違も生じてきました。

たとえば、一語一句に至るまで誤りのない神の言葉と考える立場と、キリストを中心にしてダイナミックに解釈する立場があります。また聖書の福音の捉え方においても、主イエスの再臨や新天新地の到来に強調点をおいた捉え方、他方、社会における実践に強調点を置く捉え方があります。また改革者たちの国の違いにより、教派の違いが生じた場合もあります。

しかし大体、初めにすべての教派を比較検討して行く教会を定めた人などまずいません。また教派間において、違いよりも共通している部分の方が多いのです。そもそもカトリックとプロテスタントでさえ、共同で聖書翻訳をし、新共同訳聖書と呼ばれる聖書を生み出しているくらいです。うちの教会も、カトリック教会でも使っているその新共同訳を用いています。