今週のメッセージ 2006.12.17

人を人として育み生かすもの

 

先週金曜日(15日)、改正教育基本法が成立しました。59年ぶりの改正です。現行のそれは、1947年、戦前のいわば国家主義に対する反省から「個」を尊重することを教育理念として据えたものと言えます。それに対して改正されたそれは「個」に対して「公」に重点を移していると言えるように思います。教育を中心としてさまざまな問題の根因に、「個」の逸脱を見、それを「公」に重きを置き換えることによって是正しようとする、いわばより戻しとも言えるかも知れません。

法律や指導要領によって人間の心の自由が束縛されやしないかとの懸念の声も聞こえてきます。

聖書は、「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(新約聖書・マタイ4:4と語り、また、「人を生かすものは霊であって、肉はなんの役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、また命である」とのキリストのことばを記しています(新約聖書・ヨハネ6:63。即ち、人を育み生かすものはパンだけでなく神のことばであり、そのことばに伴って働かれる神の霊なのだというのです。第15条では宗教教育が取り上げられていて、宗教について尊重されなければならないとしていますが、次項では、特定の宗教の為の教育ならびに活動は禁じています。公的な立場では当然の定めではあります。

この地上で、生身のからだを持って生きていく以上仕方がない面もありますが、それにしても現代の社会はパンに重点を置き過ぎ、神のことばを蔑ろにしていることは否めません。そして「公」に縛られない為にも、家庭が主体性を持った宗教、信仰に対する取り組みがますます大事になってきています!