今週のメッセージ 2007.1.14

ダビデ王家のスキャンダル

 

イスラエルの国旗の六芒星(六角星)は“ダビデの星”とも言われます。そのことが暗示しているようにダビデという人物は、イスラエルにとって英雄中の英雄と言っても過言ではありません。しかし聖書は、そのダビデについて恥部・暗部を覆い隠さず描いています。

彼の個人的スキャンダル――忠義な部下ウリヤの妻バト・シェバとの姦淫の罪――については、昨年(06.8.13.)記しましたので割愛するとして、ダビデ王家のスキャンダルについて取り上げてみます。

それは彼が一夫多妻であったことと深く関係しています。長男のアムノン王子が、腹違いの弟アブサロムの妹タマルに恋し、なんと力づくで陵辱、そのためにアブサロムはアムノンを激しく憎悪するようになり、やがて彼を殺害してしまうという、王家に王子同士の殺人が起きてしまったのです。

さらにそのことは、王ダビデと王子アブサロムとの人間関係にもひびを入れます。アブサロムは民の心を王から引き離して自分につける工作を行い、やがて自らを王としてダビデに反逆するのです。その為ダビデはしばらくの間逃避行生活を余儀なくされてしまうのです。

これらの悲劇の本を正せば、ダビデが複数の妻を持ち、それぞれから多くの子どもたちが生まれたことに原因があります。

旧約聖書には一夫多妻のケースが多く出てきますが、それは決して神がそれを良しとされたわけではありません。聖書の原則は、神の創造の当初から、「男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる」(創世記224とあるように一夫一婦制です。ここが揺らぐと、それはさまざまの人間関係に波及し、問題を引き起こす危険があることをダビデ王家のスキャンダルは物語っていると言えます。