今週のメッセージ 2007.1.21

『主の祈り』について

 

『主の祈り』はその名称が示しているように主イエスご自身が教えて下さった祈りです。クリスチャンでなくても、ミッション・スクールを出られた方の中には諳んじている方もおられる有名な祈りです。

この『主の祈り』は、新約聖書中のマタイによる福音書(6:9~13)とルカによる福音書(11:2~4)に出てきます。

マタイでは、言葉数が多ければ聞き入れられると思っている異邦人のようにくどくどと祈るではなく、こう祈りなさい、との前置きのもとに教えられています。故に祈りの本質が踏まえられたいわば祈りの模範が示されているといえます。

ルカの方では、弟子の一人が、(同じユダヤの指導者)ヨハネが弟子たちに教えたように、わたしたちにも祈りを教えてくださいとの求めに応えるかたちで教えられています。さらにそれに続く“パンの借りを求めた友だちの譬”を通して、求めることの大切さと、求める時、それに応えて良きもの(聖霊)を与えて下さる天の父への信頼の勧めがなされています。

表面的に見ると、マタイでは“くどくどと祈るな”と求めることにブレーキがかけられ、他方、ルカでは譬話においては“執拗に頼む”ことが勧めされているようで矛盾を感じる向きがあるかも知れません。

しかし、前後の文脈が異なっているので決して矛盾対立しているわけではありません。

両方の教えを総合させる時、祈りというものの本質、祈る時の心構え、そして祈りに応えて下さる天の父なる神への信頼、を教えられます。“困った時の神頼み”でなく、真心から『主の祈り』を献げ、“霊の呼吸”と言われる“祈り”を通して聖霊に満たされて生きる者でありたいと思います。