今週のメッセージ 2007.8.26

神はあなたたちの心をご存じ

 

「あなたたちは人に自分の正しさを見せびらかすが、神はあなたたちの心をご存じである。」(新約聖書・ルカによる福音書16:15)

これは主イエスが、ご自身をあざ笑ったファリサイ派の人々に対して語られたものです。

ファリサイ派の人々とは、当時、イエスに対して反感を抱いていたグループの一つで、聖書の律法を厳格に守り行なっている点で大変な自負心を持っていた人々でした。主イエスが前段で、「あなたがたは、神と富とに仕えることはできない」(同13節)という言葉を以って結ばれたひとつの譬話をされた時、彼らはその譬話の一部始終を聞いてイエスをあざ笑ったのでした。

笑いはしばしば笑い手の本質を暴露することがあります。彼らの主に対するあざ笑いは、イエスに対する反感と蔑みを露呈していました。

彼らの律法を厳格に守り行なっているという自負心も、主イエスの目からご覧になると、形式・外面的なものでした。あざ笑ったファリサイ派の人々は「金に執着する」ファリサイ派の人々として紹介されています(同14節)。彼らは信賞必罰応報主義の思想の持ち主で、金持ち=神の祝福という図式を内に持ち、それが形式・外面的行いと相俟って、人々からは尊敬を集めていたものの、主の目からご覧になると、まことに偽善的で鼻持ちならない彼らだったのです。その彼らに主は言われたのです。「神はあなたがたの心をご存じである」と。

貧富・社会的地位の格差が取り沙汰される昨今です。ファリサイ派の人々のごとく主イエスをあざ笑う者ではなく、わたしたちの心をご覧になる神を畏れ敬いながら生きる者でありたいと思います。