今週のメッセージ 2007.10.21

永遠の命に至る道

 

新約聖書の中に、「永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいのでしょうか」(マタイ19:16)と主イエスに問う一人の金持ちの青年が出てきます。主は、「もし命を得たいのなら、掟を守りなさい」(17節)とお答えになります。すると青年は「どの掟ですか」と再度尋ねます。主は、十戒の後半(対人関係に関する掟)を以って答えられます。それに対し青年は、「そういうことはみな守ってきました。まだ何が欠けているのでしょうか」(20節)と三度尋ねます。主は、「行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい」(21節)と言われます。すると青年は「悲しみながら立ち去った」(22節)とあります。その後に、「たくさんの財産を持っていたからである」(22節)という解説が付加されています。

主イエスは最初からこの青年の問題点を見抜いておられました。主イエスのこの青年との遣り取りは、その問題点を青年に気づかせようとするものでした。しかし青年は、残念ながら主のそうした意図を悟ることが出来ず、従って自身の内に潜む問題点にも気付かぬまま主のもとを去ることになってしまったのです。

では、青年の問題点は一体どこにあったのでしょうか。それは、彼が善いことをするその行いによって永遠の命を獲得できると思っていたことです。「永遠の命」の救いは、善行を積むことにより獲得できるものではありません。ただ十字架の贖いのキリストを信じる信仰によるのです。

「ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです。神はこのキリストを立て、その血によって信じる者のために罪を償う供え物となさいました。」

(新約聖書・ローマ3:24、25)