今週のメッセージ 2007.10.28

善行でなく信仰による

 

先週、永遠の命の救いは、善行を積むことによってではなく、キリストの十字架の贖いを信じる信仰によって与えられると記しました。

しかし、聖書には「十戒」と呼ばれる人間の行いについて規定した教えがあるではないか。救いが行いではなく信仰によるとするなら、「十戒」の意義はどこにあるのか、との反論が聞こえてきそうです。

確かに「十戒」は人間の行いに関する教えです。しかし、「十戒」は、神が人間に救いを得るための条件として提示されているものではありません。

十の戒めに先立って以下のような前文が付加されています。

「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。」(旧約聖書・出エジプト記20:2)

神は、イスラエルの民に、「十戒」を提示されるに先立って、すでに彼らをエジプトから救い出し、奴隷の頚木から解放しておられるのです。従って、「十戒」は救いの為の条件ではなく、救いに与った者が、その恵みに応えて生きる生き方を示しているものなのです。

イスラエルの民が神の恵みによってエジプトから贖い出されたように、わたしたちは、先週記しましたが、「ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです」(新約聖書・ローマ3:24)。すなわち救いは、わたしたちの善行によるのではなく、救い主イエス・キリストを信じる信仰によるのです。

従ってクリスチャンは、「十戒」を救いの条件ではなく、すでに救いに与っている者が、その恵みに応えて生きる生き方を示しているものとして受け留め、その教えに則って生活することを心がけていくのです。