今週のメッセージ 2008.1.20

これに聞け!

 

先週は、主イエスさまが、ヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けられた出来事を取り上げました。主が水から上がられた時、天から声が聞こえてきました。父なる神の御声です、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。」(新約聖書・マタイ3:17)

これと同じ声が再び聞こえて来たことがあります。それは主イエスさまが、ペトロ、ヤコブ、ヨハネの三人を連れて高い山に登られた時です。突然、主のお姿が栄光に輝いた姿に変わられ、天から声が聞こえてきたのです。「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け。」(マタイ17:5a)

これは主イエスさまが担おうとされていた十字架の死と三日目の復活のことを、弟子たちに初めて打ち明けられた時から六日経った時のことでした。十字架の死は惨めでむごたらしいものです。しかしそれがすべてではないよと、弟子たちに言い聞かせるかのような栄光に輝いたお姿を示されたのです。

その時天から聞こえてきた御声と、洗礼の時のそれとを比べると、一つだけ異なっていることがあります。それは、「これに聞け」という言葉が加わっていることです。

主イエスさまの洗礼は、なんの罪もなく、全くきよい神の御子が、罪人のわたしたちと同じ立場に立たれ、わたしたちに連帯される意味を持っていました。その主が、今やその連帯の極みである十字架の死を語られ始めたのです。天の御父は、十字架の向こうに栄光に輝く主を示唆されると同時に「これに聞け!」と仰せられたのです。何故なら、このお方こそ神の言(ことば)が人となられたお方(ヨハネ1:14)だからです!