今週のメッセージ 2008.2.10

初心に帰って

 

それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いをしていた人々を皆追い出し、両替人の台や鳩を売る者の腰掛けを倒された。そして言われた。『こう書いてある。「わたしの家は、祈りの家と呼ばれるべきである。」ところが、あなたたちは/それを強盗の巣にしている。』」

(新約聖書・マタイ21:12,13)

冒頭の聖句は、主イエスが実力行使に出られたことを記す唯一の記事です。その理由は、両替人や鳩を売る者たちが初心を忘れ、暴利を貪る商売に陥ってしまっていたことにあります。

詳しい説明は省きますが、当初、彼らは遠隔地(外国)からやって来る巡礼者たちに、祭壇に献げる犠牲の献げ物の調達や神殿におさめる献金の両替に便宜をはかり、良き礼拝が献げられるために行っていたことでした。しかし、いつしか初心を忘れ、単に暴利を貪る商売と化してしまっていたのでした。それに対して激しく怒られたのが冒頭の記事というわけです。

主イエスは神殿を指して、「わたしの家は、祈りの家」と言われていますが、今から100年近く前にフォーサイスという人によって書かれた書物に『祈りの精神』というのがあります。その中でフォーサイスは、「神のかたちは人の最善を引き出す教育や啓発によって形成される類のものではない。祈りが神のかたちを創造する」と言っています。

人は神により神のかたちに創造されました。しかし、その神のかたちは罪の故に著しく損なわれてしまったのです。その神のかたちを回復するために、人は主イエスの祈りの家(教会)に行き、神の言葉に聞き、祈りを献げて新たに生きることが求められているのです。すなわち、創造された当初の初心に帰ることが求められているのです。