今週のメッセージ 2008.3.2

これに聞け!

 

これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」。

(新約聖書・マタイ17:5)

この聖句は、主イエス・キリストが“変貌”された時に聞こえてきた御声です。

主が、ペトロ、ヤコブ、ヨハネの三人だけを連れて山に登られ、祈っておられた時のことです。突如、イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった」(同2節)という出来事―変貌―が起こったのです。この変貌された主の御姿は、実は天上の主の御姿なのです。そして、「見ると、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていた」(同3節)というのです。

モーセ、エリヤ共に旧約時代の人物で、旧約聖書のことをまだその呼称が生まれていなかった頃は「律法と預言者」と呼ばれていましたが、モーセは律法の代表者、エリヤは預言者の代表者、即ち、二人はいわば旧約時代の代表者的存在でした。

旧約聖書はキリストを来るべき方として約束のかたちで証ししている書ですから、旧約の代表者と、その旧約が証ししているまさにそのお方、キリストとが「語り合っていた」というわけです。従って、その話しの中身が気になります。『ルカによる福音書』では、それは「イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について」、即ち十字架の死についてだと記されています(ルカ9:31参照)。

 この一連の出来事を境に主イエスの歩みはガリラヤ伝道から十字架の死に向かう歩みへと転回されていきます。十字架の死そして三日目の復活のキリストこそ、神が「これに聞け」といわれる唯一の救い主なのです!