今週のメッセージ

珍しい主イエスの振る舞い

 

ヨハネによる福音書の中に、実に激しく振舞われる、珍しい主イエスの姿が記されています。それは以下のようなものです。

 

  神殿の境内で牛や羊や鳩を売っている者たちと、座って両替をしている者たちを御覧になった。イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家としてはならない。」(2:14〜16)

 

この個所にしか出て来ないまことに珍しい主イエスの姿です。

時は過越祭という大事な祭の時で、律法の定めに従い、大勢の人々が神殿に詣でるためにやって来ていました。その時には神殿の境内で、祭壇に献げる検査済みの犠牲の動物(牛、羊、鳩など)が売られていました。献げる犠牲の動物に関しては厳しい規定に適っていなければならなかったので、なかなか煩瑣でした。献金も古い半シェケル硬貨で献げる定めでした。そこで、検査済みの動物や両替人は遠来の詣で客にはおお助かりでした。

それらの店の人たちも、最初は律法に適った礼拝を人々が献げられるようにとの良い動機からスタートしたに違いありません。しかし、長い間にいつしか聖なる神への正しい礼拝のために手助けをという動機から、自己の利得のための商売へと変質し、主客転倒してしまっていたのです。主イエスの珍しく激しい怒りはそうした過ちを気づかせ、正そうとするものでした。

神を利用するのではなく、神に仕える者でありたいと思います。