今週のメッセージ 2008.10.5

御約束の言葉を信じて生きる

「モーセは青銅で一つの蛇を造り、旗竿の先に掲げた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぐと、命を得た。」(民数記21:9)

 

前回も記しましたが、ヨハネによる福音書316は“聖書の中の聖書”あるいは“小聖書”などと呼ばれます。同書は、その御言葉に先立ち、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである」(1415節)と語り、イスラエルの民の40年間の荒れ野の旅の中で起こった故事に言及しています。

40年の荒れ野の旅の間中、神は天からマナを降らせて民を養われました。しかしある時、「こんな粗末な食物では...」(民数記215)と民が神とモーセに対して文句を言ったのです。それは神の怒りを買うこととなり、「炎の蛇」が送られ、民を咬み、多くの死者が出たのです。

過ちに気づいた民は、モーセに神への執り成しを頼むのです。すると神はモーセに、「あなたは炎の蛇を造り、旗竿の先に掲げよ。蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る」(同8節)と命じられたのです。その結果を伝えているのが冒頭の聖句というわけです。

ところで、後のヒゼキヤ王の時代に、この青銅の蛇は打ち砕かれて始末されることとなります。理由は、その青銅の蛇が民により香を焚いて礼拝が献げられる偶像と化してしまっていたからでした。

青銅の蛇そのものに何か霊験新たか力があったわけではありません。「それを見上げれば、命を得る」との神の約束の言葉を信じて見上げるという信仰が命を得る道を開いたのです!