今週のメッセージ 2008.11.30

死から命へ移して下さる方

 

 「はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。」(新約聖書・ヨハネによる福音書5:24)

 冒頭の聖句が出て来る『ヨハネによる福音書』の最初に(1〜18節)、38年もの長きにわたって病気で苦しんでいた人(男)が描かれています。彼は、エルサレムの北東にあったベトザタと呼ばれる池の傍に身を横たえていました。他にも大勢病人や障害を持った人々が同じように身を横たえていました。彼らの視線は池の水面に注がれていました。それは、水面が動いた時、真っ先に水に入る者はどんな病に罹っていても癒されると言われていたからです。どうやらある種の効能のある間欠泉のようなものが時折湧き出て来ていたようです。

 そんなところへ主イエスがやって来られ、彼に声をかけられたのです、「良くなりたいか」。何を分かり切ったことをと男が反応すると思いきや、彼は愚痴っぽく言ったのです、水が動いた時自分が入ろうとするといつも他の人が出し抜いて先に入って行くのです、と。

彼は38年もの間そのような生活をする中で、いつしか意欲も希望も失い、もはや惰性で生きていた、いわば生ける屍同然と化していたのです。

 そんな彼にイエスは言われたのです、「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい」。するとどうでしょう。彼は「すぐに良くなって、床を担いで歩き出した」のでした。

この男が長いこと求めていた救いは、池の水面からではなく、後ろから近づいて来られた方からやって来たのです。このイエスこそ、生ける屍同然の者を「死から命へ」と移して下さる方なのです!