今週のメッセージ 2008.12.28

使命を全うしたヨセフ

 

 主イエスの要の出来事においてはどうも男性は分が悪い感じがします。

救い主の来臨に先立つ先駆者ヨハネの誕生予告においては、その父となる老祭司ザカリアは不信仰の故に神から罰を受け、一時ものが言えなくなってしまいました。主イエスの十字架に際し、その現場にいたのは女性たちでした(ヨハネ19:25)。12弟子の筆頭と目されていたペトロは3度にもわたってイエスとの関係を否定する体たらくです。復活の際にも、明け方真っ先に墓に行ったのは女性たちでした。前後しますが、主イエスのご降誕においては、何といってもマリアが主役でしょう。

 しかし、救い主のご降誕に際し、マリアの夫ヨセフも立派にその使命を全うしたことをあらためて覚えたいと思います。

 自分の全く与り知らない中で婚約者が身ごもったのです。それを知ったヨセフは、「ひそかに縁を切ろうと決心した」(マタイ1:19)とあります。ヨセフの戸惑いと苦悩はいかばかりだったでしょう。

しかし、御使いによりそれが聖霊による御業であり、古の預言者たちを通して約束されていた救い主の来臨の実現の出来事であることを告げられると、ヨセフはそれを信じて受け入れ、マリアを妻として迎えたのです。

 ヨセフの態度如何では、マリアは姦淫の女のレッテルを貼られ、石打の刑で処刑される危機も孕んでいたのです。

 ヨセフの信仰に立った理解と協力がマリアの十月十日の身ごもりの期間を支え、特に臨月の時、住民登録のために故郷ベツレヘムへの危険な旅もヨセフの助けがあったからこそ乗り越えられたのでした。ヨセフは見事に神から託された使命を全うしたのです。実にヨセフなくしてはキリストの母マリアはなく、またマリアなくしてはクリスマスもなかったのです!