今週のメッセージ 2009.1.4

すべての悪の根

 

元旦の朝刊を見ていたら、落語家桂文珍氏の面白い話しが載っていました。落語『花見酒』に引っ掛けての話しです。

リーさんという男が、こも被りの酒樽を仕入れて花見の席で一杯五銭で売りに行こうということになりました。一人では担げないため、弟のマンさんを誘い、後ろを担いでもらって出かけました。途中、お酒のプーンといういいにおいに誘惑され、マンさんが一杯飲みたくなったと言い出します。リーさんが、これは売り物だと言うと、マンさんはここに五銭持ってると言い、五銭払ってうまそうに飲んだのです。それを見てリーさんも、オレも飲みたくなったと言います。マンさんが商売用だから金を払ってもらわないとと言うと、リーさんはここに五銭あると言って先にマンさんから受け取った5銭を渡して飲むのです。それを見たマンさんは、オレも二杯目を飲みたくなったと言って受け取った五銭をリーさんに払います。二人は五銭をやったり取ったりしながらしこたま飲むのです。花見の席に着いていざ酒を売ろうとしたところ、酒はなくなってしまっていたのです。

文珍氏は、欲だけでやり取りしているうちに実体がなくなると言い、投資銀行リーマン・ブラザーズのサプライムローンの証券化と破綻もそれと一緒と落ちをつけるのです。

落語にリーさんとかマンさんという兄弟の名はおかしいなと思っていたらリーマン・ブラザーズで納得した次第でした。

金銭の欲は、すべての悪の根です。」(新約聖書・Tテモテ:10)

「あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。...何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(同・マタイ6:24b、33)