今週のメッセージ 2008.2.22

ヨハネ6章の四段論法  

新約聖書にある『ヨハネによる福音書』の6章は、主イエスが5つのパンと2匹の魚で5千人もの大群衆の飢えを満たされた奇跡の記事が記されている章として知られます。そして、このパンの奇跡は四つの福音書が筆を揃えて記している唯一の奇跡でもあります。そして、特にヨハネによる福音書は、その6章において四段論法でこの出来事を記しています。

はじめは、わずか5つのパンと2匹の魚で5千人の人々の飢えを満たされた奇跡の出来事を記します。

次いで、その出来事を下敷きにして主イエスは、わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる」(51節)と自己宣言されます。

第3段目では、主イエスが命のパンである所以が、やがてわたしたちの贖いのために十字架で肉を裂き、血を流されることになることに基づき、わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである」(54,55節)と語られます。このことは、キリスト教会における聖礼典の一つ聖餐式への言及でもあります。

最後の4段目では、「命を与えるのは“霊”である。肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である」(63節)と言われ、永遠の命の恵みをわれらにもたらすのは、その福音のメッセージを告げる言葉とそれに伴って働かれる聖霊であることを明らかにされます。すなわち、福音の真理の内奥が提示されるのです。

われらが敬虔な祈りと信仰をもってメッセージを受け入れるとき、その信仰の管を通して聖霊が臨み、永遠の命の恵みがもたらされるのです。