今週のメッセージ 2009.3.15

すべてはみんなのもの、そして、すべては神のもの

 

「パパラギ」というタイトルの本が1981年に立風(りっぷう)書房という出版社から出ました。タイトルの下には、「はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集」という副題がついています。

「酋長ツイアビ」とは、サモア諸島のひとつ、ウポル島のテリアベアという村のいちばん偉い酋長です。彼は成人した時、ヨーロッパ大陸に向かった視察団と共に旅立ち、ヨーロッパの国々を回り、その文化と生活様式に関する正確な知識を集めて帰国しました。

その後、ドイツ人エーリッヒ・ショイルマンが、酋長ツイアビの心と言葉を翻訳・編纂したのが「パパラギ」(白人を指す語)で、その内容は白人社会に対するまさに文明批判です。

ツイアビたちが日常使う言葉に「ラウ」というのがあり、それは「わたしの」という意味であり、同様に「おまえの」という意味もあるといいます。ふたつはほとんどひとつであり、同じ意味だそうです。その彼らにとって、パパラギの言葉の「わたしの」と「おまえの」はそれ以上に違いの大きな言葉はほとんどないと映ったようです。

地とそこに満ちるもの/世界とそこに住むものは、主のもの。」とは旧約聖書詩編24:1の御言葉です。グローバル化した今日、太陽も空気も、海も水も、そして緑も、実にみんなのものと実感されるようになりました。そしてそれらすべては神のものなのです。

しかし人間は、創造主なる神が与えて下さったさまざまな恵みを、競争で奪い合って私有化し、浪費した結果、太陽も空気も、海も水も、そして緑も著しく汚し、傷めてしまいました。実に、欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。」(ヤコブ1:15)とある通りです。