今週のメッセージ 2009.3.2

丸い金属と重たい紙

 

前回、サモアの酋長ツイアビのことばを紹介しました。今回、もう一度ツイアビのことばを紹介しましょう。

ツイアビは白人のことを「パパラギ」と呼びます。パパラギは、言葉通り訳せば“天を破って現れた人”という意味だそうです。ヨーロッパから白人の宣教師が白い帆船に乗ってサモアにやって来たとき、遠くに浮かぶ白い帆船を見て、島の人たちはそれを天の穴だと思ったそうです。白人が、その穴を通って、つまり天を破って現れたというわけです。そこで「パパラギ」はその白人を指すいわば呼び名となったというわけです。

表題の「丸い金属と重たい紙」は何を指していると思いますか?そうです。コインと紙幣つまりお金を意味するツイアビの表現です。

ツイアビは言うのです。「丸い金属と重たい紙、彼らがお金と呼んでいる、これが白人たちの本当の神さまだ」と。さらに言います、「白人の世界でひとりの人間の重さを測るのは、気高さでもなく、勇気でもなく、心の輝きでもなくて、一日にどのくらいたくさんのお金を作ることができるか、どのくらいたくさんのお金を、地震があってもびくともしない、がんじょうな鉄の箱にしまっているかなのである」と。

また同胞と白人とを比べて言います、「おまえたちの目を見、それを金持ちのアリイ(紳士・男)の目とくらべるなら、彼らの目はかすみ、しぼみ、疲れているが、おまえたちの目は大いなる光のように輝いている。喜びに、力に、いのちに、そして健康にあふれ、輝いている。おまえたちの目は、パパラギの国では子どもだけしか持っていない」。そして結論付けます。「お金がアイツウ(悪魔)である」、また「お金から身を守ろう」と。

「金銭の欲は、すべての悪の根です。」(新約聖書・Tテモテ6:10)