今週のメッセージ 2009.6.14

最高法院議員ニコデモのカミングアウト

 

新約聖書中の『ヨハネによる福音書』にユダヤ最高法院の議員でニコデモという人が登場します。最高法院は大祭司を議長に71人のメンバーで構成されていて、その中でファリサイ派と呼ばれる人々や律法学者たちが強い影響力を持っていました。彼らは主イエスに敵対する立場を取っていました。そしてニコデモは、そのファリサイ派に属していたのです。

しかしニコデモは、主イエスに対して敬意を抱いていました。彼はある夜、主イエスのところを訪れています。しかし、それは人目を憚ってのお忍び訪問でした。

ある時、最高法院の中にイエスを逮捕しようとする動きが出始めました。するとニコデモは、本人から直接事情を聞いて確かめもしないで軽々に逮捕などすべきではないと異議を唱えました。大多数はイエスを罪人視していましたから、ニコデモのそれは勇気ある発言だったと言えます。

しかしその後、主イエスは逮捕連行され、十字架刑で処刑されてしまったのです。するとニコデモは、なんとアリマタヤ出身のヨセフと共に主イエスの遺体を引き取り葬ったのです。主の弟子たちが皆逃げ去り姿を隠していた中で、彼はイエスの葬りのわざを担ったのでした。彼は、主イエスの支持者であることをカミングアウトしたのです。勇気のいった行動であったに違いありません。その彼にとって主の復活は、さぞかし自分が間違っていなかったことを確信させる喜びの出来事だったことでしょう!

だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、わたしも天の父の前で、その人をわたしの仲間であると言い表す。しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、わたしも天の父の前で、その人を知らないと言う。」(マタイ10:32,33)