今週のメッセージ 2009.8.30

生まれつきの盲人の癒しと「世の光」宣言

 

「わたしは、......世の光である。」

(新約聖書・ヨハネによる福音書9:5)

『ヨハネによる福音書』9章には、主イエスが生まれつきの盲人の目を癒された奇跡の出来事が記されています。

発端は、通りすがりにこの盲人を見かけたことに始まります。弟子たちが主イエスに、この人が生まれつきの盲人となってしまった原因は、本人の罪か、それとも両親の罪か、と尋ねたのです。すると主イエスは、本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである」3節)とお応えになるのです。そしてその後、この盲人の目を開かれる奇跡をなさったのです。

弟子たちが過去に目を向けてその原因を追及しているのに対し、主イエスは、未来に目を向け、「神の業がこの人に現れるため」と言われているのは実に対照的でかつ希望の光が射し込んで来るのを感じさせます。

するとわたしたちはとかく、わたしたちにもこうした癒しが与えられるかたちで神の業が現わされることを期待しがちですが、それは少し短絡的です。『ヨハネによる福音書』では奇跡を「しるし」と呼び(2:11、4:54他)、全部で七つしか出てきません。そして「しるし」という言葉が示す通り何か他のことを指し示しているのです。ここで言うならば、主イエスが「世の光」であるということです。主イエスは、この罪と死の闇の世の中にあって「光」を与えて下さる救い主なのです。「光」とは、主イエスの十字架の贖いによる罪の赦し、罪がもたらす死の滅びからの救いであるからだの甦りの希望、また、信じた時からその人のうちに与えられる永遠の命の恵み、を土台としたさまざまの救いの恵みを指しているのです。